かがくい ひろし:さく
ブロンズ新社:発行
おすすめ年齢:0~2歳
はじめに
小さいこどもさんに大人気の絵本です。
タイトルには「だるまさん シリーズ」と書きましたが、実際は、「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」という3冊の絵本になります。
これは、うちの娘が1歳になるかならないかくらいの時に購入したんですが、ほぼ毎日読んで、きゃっきゃきゃっきゃ笑ってましたよ。
他サイトのレビューでもとにかく好評のようです。
だるまさんが何とも言えずかわいらしいですよね。
「だるまさん シリーズ」のおすすめポイント
この「だるまさん シリーズ」の絵本は、すべて20ページほどしかなく、また文章もほとんどあってないようなものです。
速読の訓練を受けたエキスパートが読んだら1秒とかで読み終えるんじゃないですかね。
レビューは非常にきびしいものとなりそうです。
ただ、これは読み手とこどものコミュニケーションという観点では、とても有用な絵本だといえます。
「だるまさん が」と「だるまさん の」では、ほぼ絵本の構成が同じです。
「だ る ま さ ん が(の)・・・・」というページの後に、次のページを開くと、何かしらのアクションがある、これを繰り返すものです。
「だるまさん が」では、アクションページで、だるまさんが奇怪に伸びたり、放屁したりと、こどもを笑わせます。
実際にこども(うちの子だけかもですが)は、このアクションページで必ず爆笑します。
読み方でいかようにも読めるわけですから、読み手の力量が問われますね。
そして、「だるまさん の」では、「だ る ま さ ん の・・・」に続いて、目や手、歯といった、身体のパーツを強調するページが続き、それらのパーツを自然に学べるような構成となっています。
だるまさんのパーツを指さすところ(客体)がしっかりできるようになったら、次は自分の目や手を指さしできる(主体)ように誘導していけるとよいでしょう。
「だるまさん と」では、唐突にバナナやメロンといった果物たちが、だるまの世界に乱入してきます。
ただ、これはちょっとだけ上級者向けの絵本かもしれませんね。
だるま単独での登場であった「だるまさん が」「だるまさん の」とは異なり、それらの果物たちとだるまとの関係が、アクションページで描写されるからです。
発達の過程として、『2者の関係性の理解』に入っていきます。
ひとり遊びしかしなかったこどもが、だんだんと周囲とかかわりながら遊びはじめる時期とリンクするかもしれませんね。
このだるま、なぜうちの娘を含めて小さいこどもを引き付けるかというと、赤くて丸い形状のボディに他ならないと思います。
こどもって赤に引きつけられます。
そして『形を認識する能力』も、まずは『丸い形』から入っていきます。
実際に、低年齢の発達検査でも、検査道具は赤が使われることが多いですし、“型はめ”みたいな課題でも、丸が基本となります。
これ、思ったより、こどもが興味を持つように考えられている絵本なのかもしれませんね。
自分でもよくわからないのですが、今回のこのレビュー、前半はちゃんと「だるまさん」って書いていたのに、後半は「だるま」と呼び捨てになっていました。
自分でもよくわからないのですが。
まとめ
「だるまさん シリーズ」をご紹介しました。
目や歯といった人体の基本的なパーツを楽しみながら覚えられるところや、2者関係の基礎を学べるところなど、おすすめポイントがたくさんあります。
そしてなんといっても、読み手とこどもさんとのコミュニケーションツールとして優秀です。
このだるまさんシリーズ、「かがくいひろしのファーストブック」と銘打っていることからわかるように、初めての絵本にもってこいの内容です。
こどもさんが生まれた方に、この3冊セットをプレゼントすると喜ばれそうですね。